映画も素晴らしかったです。
福田進一さんのアルバム「マチネの終わりに」もすごく切ないというかクラシックについて全くわからない私でさえ心に染みる旋律です。
本を読んだ時はこの本に出てくる音楽を全く聴かず想像だけで楽しんでいましたが、映画を観ると楽器の音も楽しむことが出来て「マチネの終わりに」の世界観が更に広がりました。
どちらかというと小説の方がオススメですが、映画も凄く素敵でしたので感想レビューを書いていこうと思います。
ちなみに映画は3回も観てしまった。
それくらいパリ、ニューヨーク、日本の映像が綺麗でしたので気になっている方は絶対に観てみることをおすすめいたします。
AmazonPrime会員なら無料で観れます。
アメトーーク読書芸人でも絶賛されていた
かなり前の話にはなりますが(2016年くらい)アメトーークの「読書芸人」というコーナーでもかなり話題になっていた作品です。
オードリーの若林や光浦、ピースの又吉達が凄く絶賛していたので気になっていました。
出版されたのは毎日新聞出版 から2016年4月9日なんですね。
もう4年以上経過している。
思ったより読み始めたらすぐに読み終わった。ハマりました。
恋愛小説ではありますが、小峰洋子という主人公が強い女性で物凄くかっこよく描かれていたり、天才クラシックギタリスト・蒔野聡史といえども全然気取った感じじゃないキャラクターに書かれていたので、登場人物達に惹かれていったのかもしれません。
「マチネの終わりに」著者・平野啓一郎さんのインタビューを観ての感想
今回は映画も観て、更に「マチネの終わりに」の世界観にハマり「平野啓一郎さん」のことも知りたくなりました、というかとても気になってきました(*´ω`)
そして「マチネの終わりに」映画の試写会などをYoutubeで色々と観ていると平野啓一郎さんのインタビュー動画が!!
平野啓一郎さんのこの作品にかけた思いや自分では理解しきれなかった、当たり前だけど「そうだよなー」と思う部分だったりを聞けて、より『マチネの終わりに』の世界観を理解出来た気がしました。
『分人』っていう言葉を初めて聞きましたが、その言葉のいうところと同じことは以前から何度も考えていました。
人って色んな自分があるよな、ってことに改めて気づきました。
家族といる自分。恋人といる自分。友達といる自分。会社での自分。
どれも別に偽りの自分ではないし、多重人格ってわけではない。
それでいいんだっていう…それって普通なんだっていうことを…改めて実感いたしました。
誰といる自分が好きかってこと、無意識に考えてはいるのだと思うけれども、『分人』て深いです。
今までそのことについて、なんとなく知ってはいたというか、自分なりに解釈していました。
自分なりに考えて結論を出していて…。
今回は平野さんが言ってくれたことで再確認出来た部分があります。
↑この本も気になるので今度読んでみたいです。
音楽家や演奏家とかも作り手はみんな計算して作っている、芸術なんだなと。とても深い!
映画を観終わっての感想
映画を観て、やっと観れたーーー!と思いました。
というのも、去年2019年11月1日に公開された映画の最中に小説を読んでいたのですが、読み終わってすぐにめちゃくちゃ映画が観たいー!と思い映画館に行ったものの、その日の上映はすでに終わっていた。
その次の日も自分が仕事の時間しかやっていなくて・・・っていうか全部仕事の日時しかやっていない!そしてそのまま上映があと何日かで終わってしまうー( ;∀;)←まじでマチネの終わりにを観る為に仕事休もうかと思いました。
もうDVDとか出るまで観れないじゃない。。。と泣く泣く映画館を去った経験があったので、今回Primeビデオで観れるってことを知って興奮しました。
その時期確か石田ゆり子さんブームで、「石田ゆり子ファンにはたまらない映像が満載の映画!!」みたいな売りだったので、出演者は正直なところ「石田ゆり子」しか知りませんでした。
しかし、福山雅治、賛否両論あるのかも知れないけど蒔野さん役にぴったりだと思いました。
硬派に見えてユーモアがあるイケメン音楽家。そしてギタリスト♪女を口説く素質あり。
蒔野さんが面白い話をするシーンがあるのですが、福山雅治が話すと本当に面白いです。
シジミのしーちゃんの話とか、坂本さんの話とか、やっぱりトークがうまい人って役でも面白く話せるんだなぁと思いました。
映画を観た感想は、やっぱり映画なので小説を端折っている部分が多かったり、1回観ただけじゃちょっと見逃してしまう細かい部分とか沢山あります。
でも、何回か観返してみると、あーこの仕草であの小説のあの部分を表現しているのかーと思ったりします!!
Primeビデオで何回か観るのがオススメです。
「マチネの終わりに」映画版は小説を無理に全部再現しようとしていないところに好感が持てました。
登場人物・キャストに対する感想
誠に勝手ながら、登場人物、キャストについて感想を書かせていただきます。
<板谷由夏>
映画の最初に出て来た女優さん。
そういえば、石田ゆり子のインスタによく出てくる女優さん。
石田ゆり子とお友達なんじゃなかったかな?!と思いました。
板谷由夏の笑顔がとても好きです。バリバリのキャリアウーマンやっている役が似合うイメージがあります。
「マチネの終わりに」でも凄くかっこいい素敵な女性でした。
観ていると気持ちがスカッとする女優さんで、言いたいことを的確に人に伝える力強さがある方なのだなーと思いました。
<石田ゆり子>
小峰洋子の役で、英語にフランス語に九州弁に!!凄く難しい役なんだろうなーと思いましたが、言葉とか関係なしに綺麗、人柄が美しい方でした。
何語を話ていても「小峰洋子」だった!強くて優しくて聡明で、そして可愛い。
見ているこっちが守りたくなってくるような弱い部分もあるけど近寄りがたい様な存在。近くにいたら絶対好きになる(*´ω`)
小峰洋子と一緒に仕事をしている人達や一緒に住んでいたジャリーラのことも羨ましいと思うくらい素敵な女性を見事に演じていた。
「マチネの終わりに」で石田ゆり子の魅力をもっと知りました。
<福山雅治>
映画の中でギターは本当に弾いているのかな?と思っていたのですが、メイキング映像など観ていると本当に弾いていることがわかって感動♪
でも、実際にギタリスト兼ボーカルをプロとしてやっているのに、本当に弾いていないとちょっと微妙っていうのもありますよね^^;
個人的には蒔野さんの役柄にぴったりだなーとおもいました。
最初に蒔野さんの役が福山雅治だと知った時は、え?って正直思ったのですが…なんかわからないけど自分が小説の中で思い描いていた人物像とはちょっと違った。
でも、映画を観終わって、音楽もとても良かったしイケメンなのでパリやニューヨークの映像ともマッチしていて絵になる男性だなと感じました。
<桜井ユキ>
サナエの役を演じている女優さん。
サナエのした事や発言はちょっと理解に苦しむ部分があるのですが、それを見事に演じられていました!
もしこの人がいなかったらって思う事も沢山ある…でももしサナエがいなかったら蒔野さんは洋子と出会っていなかったかも知れないし、蒔野さんが音楽家としてやっていけたのもサナエの「愛」のおかげかもです。
偽りの愛を得て辛いのかも知れないけど、幸せなのかも知れないし。
サナエはどちらにしても辛い。
偽りの愛をどんな手を使ってでも得た形になっても辛い。
もしくは相手が自分を好きじゃないとわかっていても頑張って思いを直に伝え、振られ、好きな人を永遠に失ったとしてもどちらも辛い。
だから、前者を選んだというだけなのかも知れないですね。
例え偽りの愛を選んで、自分や周りが傷ついたとしても。失いたくないものがある・・・。
うーん、やっぱりちょっと間違えている気もするけどある意味すごく強い女性。
<伊勢谷友介>
想像していたリチャードと違いました。
でも伊勢谷友介はとても色気のある俳優さんで金髪のアメリカ人女性との夫婦役も、石田ゆり子との夫婦役もどちらもとても様になっていて、見応えがありました。
リチャードと洋子のシーンは小説ではもっと濃厚に細かく書かれていたので、小説を読んでいない人にはきちんと伝わるのかな?と思った部分もありましたし、自分的にも少し物足りない気もしました。
短い時間の中で撮影しないといけないので仕方ないとは思いましたが、映画がもう少し長く出来るのであればリチャードと洋子のシーンがもっと見たかったです。
<木南晴夏、風吹ジュン、古谷一行>
映画「マチネの終わりに」では少ししか出番のない俳優さん達でしたが、好きな方達ばかりでした。
洋子と蒔野の人生にとっては凄く関わりの深い人達なので、周りの人達のちょっとした言葉や行動、気遣いによって人一人の人生って大きく変わっていくものなんだなーと、考えさせられるところがありました。
男の人に惹かれるのに、理由なんてなかろうも。
~洋子の母(風吹ジュン)~
演技、心に染みました。キナンちゃん可愛かったです。
映画を観た感想・レビューのまとめ ネタバレ
最終的に「マチネの終わりに」の主人公2人がこれからどうなっていくのか?
蒔野さんと洋子の運命はわからないけど、「未来が過去を変える」ということを知っていれば乗り越えていけるのかな。
2人が会う時に必ず何かしらの事件が起こるということは…それもそれで運命なのかも知れないし、その事件を乗り越えてでも結ばれなかったということは、それまでだったのかもしれないと。
部外者である私は「マチネの終わりに」の小説を読んで、映画を観て、勝手ながら思った。
もし2人が無事に結婚したとしても、サナエの邪魔が入って結婚が破綻してしまうっていうこともあり得る。
私は部外者なので何とでも言えるけど…この本のモデルになった2人がいるという事なので、殆どがフィクションだとしてもやはり切ない話だなと色々と考えさせられる。
恋愛をしていく上ですれ違いという事は必ずあると思う。
特に2人が知り合った直後の恋は、進展したばかりのまだ信頼関係が築けていない時なので、すれ違いは乗り越えていくのが難しいのかもしれない。←ドラマとか観ていると大体そう
ドラマじゃなくても実際にもそうなのかも知れません。
今回、「マチネの終わりに」では、2人が実際に会ったのは3回だけという事実ではあった。
ただ、これは著者の平野啓一郎さんも言っていたのですが実際にはスカイプで何度も連絡を取り合っていて話をしていた。
メールもしていたし電話もしていた。
3回しか実際には会っていなくても、セクシャリティーの関係がまだなくても、気持ちだけで長く続く恋愛って続くの?というご意見もあったのだとは思うけど、平野さんが言うようにこれからの時代は実際に会わなくてもオンライン上でも愛を確かめあえる時代になっていくのではないか?と。
それはただ「話が合う」という単純なことなのかも知れないと。
その「単純なこと」、「話が合う人を見つけること」が出来ない人が増えている現代。
世の中に沢山ある殺伐とした出来事の中で見つける「愛」という部分を単純に小説で書きたかったと言っていました。
「マチネの終わりに」は物凄く著者のそういった気持ちが伝わってきました。
あらすじだけを聞けば、「なーんだ、よくある恋愛小説だね」で終わるところかと思いますが、平野さんが伝えたかった色々なことが私達に伝わってくるので、読み終わった後、映画を観終わった後、号泣してしまう作品なのだなと感動しました。
Prime Videoで「マチネの終わりに」を観た感想でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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