EXIT兼近大樹さんの小説『むき出し』はカネチーさんの自叙伝的な本
『むき出し』は、主人公が兼近ではなく石山という芸人になってはいますがほぼ兼近さんの過去を書いた小説なのでしょう。
『むき出しを読んだ後だから余計に今の染みたー』みたいな事をEXITのYouTubeで相方のりんたろーさんが言っていた。
全てが実話ではないにしろ主人公はカネチーの物語。
【小説の中の設定】
- 主人公→石山大樹
(家族構成 父・母・兄・姉・大樹・妹) - 大樹は中島さんとentranceというコンビを組んで売れる
- 売れた後に過去の逮捕歴が週刊文春によって出されるも、まだ生きたいと奮闘中の大樹
カネチーさんは小さい頃とても貧困だったという話をよくテレビ等でされています。
小説の中では、主人公の大樹が家族のために新聞配達をしたり中卒で働いたりして家計を助けている設定。
※実際に新聞配達、中卒で仕事をし定時制高校に自分のお金で通ったそう。
高校は3日で辞めたみたいなので中卒という肩書きにはなっています。
でも高校受験料などすべてのお金を自分で払ったなんてすごいことですよね。
【父・母・兄・姉・大樹・妹】
※ご両親は大樹が中学の時に離婚しているけど今も両親と連絡を取って仲良くしている様です。
小説の中でも下の名前は『大樹』。兼近ではなく石山大樹ですが。
- 売れっ子芸人石山はどんな小中学生だったか
- 裏社会にいた石山が芸人になろう決意するまでの出来事
- 表の世界を知らない青年がどのように売れっ子お笑い芸人に登り詰めたか
- 過去の逮捕歴を週刊文春に取材され、記事が世の中に出るまでと出たあと
物語の途中、ところどころにentrance(小説の中でのコンビ名)のラジオが出てきます。
スクープが出た直後、仕事が殆どなくなったけど『1つだけ残っていたラジオの収録番組』で言いたかったことを書いているのかな?と思っていました。
カネチーさんの意図は少し違った様です。
Yahoo!ニュース引用
カネチーさん→あと、合間に入るラジオのトークはどうしても入れたかったんですよ。
取材者さん→作中にある太字の部分ですよね。あれはどういう意図があって入れたんですか?
カネチーさん→現実とリンクさせたいと思っていたからです。そこに、今まで俺が言ってきたこと、コスりネタをブチ込みました。1年目の時とか雑誌やテレビ、ラジオ、営業……ありとあらゆるところで口にしたことや自分の考えをそのまま書き出したので、EXITの感じが出てるんです。だから、ファンの人や昔から俺のことを見ている人は、こういうこと言ってたなって感じるんじゃないかなと思います。
太字のラジオトーク、お馴染みのチャラいネタ風なんだけど内容が深い。
『自分が嫌だと思う場所からは、すぐに抜け出せ!そこでは求められてないから。求められる場所ぜってぇあるから』
引用:むき出しから一部抜粋
この本に出合ったことで考え方が変わる人もいるのではないでしょうか。
カネチーさんも又吉さんの本に出会ってから人生が変わったと言っていたし。
小説の中で、どのように又吉さんの本と出合ったかを書いていました。
カネチーさんは『分断をなくしたい』という思いがあってお笑いをやったり小説を書いたりしているそうです。
逮捕された時、刑事さんから言われた言葉に反論し、心の中で言っている言葉は印象的です。
『それでも俺は、ずっとその人達と生きてきたから、その生き方しか出来ない人達がいるのを知っている。その世界の中での良心をお前は知らないだろう。』
引用:むき出し
確かにヤクザ、半グレに対して『常識も良心もない』クズだと思う人が多いだろう。
でも、生まれ育った環境で、経済的な理由で、完全に世界が分断されていることをもっと知らないといけない。
又吉さんが自身のYouTubeで『むき出し』を3回読んだと言っていました。
そんな読む?と思ったのですが……私ももう何度か読み返しています。
小説なのになんだか漫画の様に気楽に読み返せるのは、カネチーさんのヤンキー言葉!?フランクな言葉で書かれているからかも知れません。
真面目に書かれている文章もあるのに笑えるところもあります。
それは又吉さんの小説でもあったのですが、お笑い芸人さんが書く小説なので書いてあることもネタ帳みたいになっていて面白いのかなと思ったり。
カネチーさんが小中学生の頃、学校の先生達に臆することなく伝えている言葉達はあながち間違えているわけではなく、共感出来るところも多い。
この本は公務員、政治家、ヤクザ、小中学生、会社員、主婦(夫)など、色々な方に届くといいなと思います。
又吉さんの書籍の様にドラマ化?映画化なるでしょうか。
あって欲しいなと思う作品です。
『誰も本当のことを教えてくれなかった。』
引用:むき出し
きっとみんな一度は思ったことがある!?
この世界が普通ではなく、他の世界もあることを教えて貰えない。
それは自分達の親も知らないのだと思うし、仕方のないことなのだけど……。
自分はどうして生きているんだろう?なんで生まれたんだろう?
馬鹿馬鹿しいと思う人もいるかもしれないけれど、生きる意味を素直に考えている主人公です。
生きている意味を真剣に考えている石山に対し、相方の中島が突っ込みを入れているところがまた面白い。
週刊文春で過去のことを出されたら、芸人人生は、終わるかもしれない。
週刊文春で過去のことを出されたら、芸人人生は、終わるかもしれない。
引用元:むき出し
芸人として売れまくったカネチーさんは、週刊文春に過去の逮捕歴をスクープされてしまいます。
スキャンダル誌が目指しているところはなんなんだろう。
スクープへの執着心というか粘着質というか仕事熱心というか……大人の事情?
たとえ過去だったとしても芸能人の事実を世の中に伝えたい、そんな意図もあるのでしょうか。
このスクープにも負けず今も売れ続けるEXITはすごいですよね。
カネチーの事は、吉本興業もかばってくれたそうです。ネットの記事なので本当かはわかりませんが……。
同じ出版社から、、、カネチーさんってすごい。深い。
分断をなくしたい。
小説を出したくて芸人になったとのことですので、2冊目も書かれる予定があるのかも知れません。
カネチーさんの過去の出来事はまだ最近のことの様に思われ、小説を読み終えても気になることが色々あります。
賛否両論あると思いますし、カネチーさんの言っていること、思っていることが全て正しいのかはわかりません。
私はむき出しを読み、『優しくて思いやりがあり、行動力もあって、前向きで周りの人思いの誠実な方』だと思いました。
だから売れているんでしょうけど(*´ω`)。
イケメンですしね(笑)